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斎藤 滋; 鈴木 和博; 小畑 裕希; Dai, Y.*
Nuclear Materials and Energy (Internet), 34, p.101338_1 - 101338_9, 2023/03
被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Nuclear Science & Technology)固体ターゲットを用いる核破砕中性子源のターゲット材料及び被覆材料は、高エネルギー陽子及び核破砕中性子の照射により損傷を受ける。核破砕条件における材料の照射損傷特性を明らかにするために、スイスのPSIを中心として核破砕ターゲット材料照射プログラム(STIP: SINQ Target Irradiation Program)が進行中である。本プログラムでは、PSIの加速器で各種材料を580MeVの陽子で照射し、参加国がPIEを分担して行っている。原子力機構も照射試料の一部を輸送し、照射後試験を行った。本発表ではSTIP-II試料の中からWとTaの引張り試験の結果を報告する。これらの試料の照射条件は照射温度が130-380C、はじき出し損傷量が10.2-35.0dpaであった。引張り試験の結果、WのうちW-Polyは照射によって脆化し、伸びがほぼ0で、弾性域で破断した。W-Sinは10.2dpa照射後も全伸び約6%を示し、延性を保っていた。Taは、10.3dpa照射試料が0.7-2.6%の全伸びを示したほかは伸びがほぼ0で、弾性域で破断した。
石島 暖大; 上野 文義; 阿部 仁
Materials Transactions, 63(4), p.538 - 544, 2022/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)核燃料再処理機器に使用されているタンタルについて、除染作業での使用が想定される水酸化ナトリウム溶液における腐食挙動の時間依存性を浸漬腐食試験により調査し、経時変化の機構について表面観察および電気化学測定結果から検討した。浸漬腐食試験についてNaOH濃度は1から7mol/L、浸漬時間はそれぞれ、24から168hrとし、室温で行った。腐食速度はNaOH濃度とともに増加するが、浸漬時間によりピークを示しその後減少した。ピークまでの時間はNaOH濃度が高いほど短時間であった。浸漬腐食試験後に洗浄・秤量を行った試料表面のSEMおよびラマン分析では皮膜の生成はみられなかった。一方、分極抵抗は浸漬直後から減少した後に一定値あるいは増加を示した。分極抵抗の経時変化は腐食速度の変化と同じ挙動を示し、また分極抵抗の値は皮膜抵抗と電荷移動抵抗の和とおおよそ一致することから、腐食速度の経時変化は浸漬による皮膜生成に影響を受けることが示唆された。皮膜は主としてTaの溶解により生成するNaTaOであると考えられた。
石島 暖大; 上野 文義; 阿部 仁
材料と環境, 70(6), p.192 - 198, 2021/06
核燃料再処理機器に使用されているタンタルについて、除染作業での使用が想定される水酸化ナトリウム溶液における腐食挙動の時間依存性を浸漬腐食試験により調査し、経時変化の機構について表面観察および電気化学測定結果から検討した。浸漬腐食試験についてNaOH濃度は1から7mol/L、浸漬時間はそれぞれ、24から168hrとし、室温で行った。腐食速度はNaOH濃度とともに増加するが、浸漬時間によりピークを示しその後減少した。ピークまでの時間はNaOH濃度が高いほど短時間であった。浸漬腐食試験後に洗浄・秤量を行った試料表面のSEMおよびラマン分析では皮膜の生成はみられなかった。一方、分極抵抗は浸漬直後から減少した後に一定値あるいは増加を示した。分極抵抗の経時変化は腐食速度の変化と同じ挙動を示し、また分極抵抗の値は皮膜抵抗と電荷移動抵抗の和とおおよそ一致することから、腐食速度の経時変化は浸漬による皮膜生成に影響を受けることが示唆された。皮膜は主としてTaの溶解により生成するNaTaOであると考えられた。
柴田 恵一
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(7), p.957 - 967, 2016/07
被引用回数:5 パーセンタイル:43.41(Nuclear Science & Technology)次期汎用評価済み核データライブラリJENDLのためにTa-179, 180m, 181, 182の中性子核データを10eVから20MeVのエネルギー範囲で評価した。分離共鳴パラメータは実験値を採用するとともに、非分離共鳴パラメータは理論計算により導出した。分離共鳴領域以上のエネルギーでは、統計模型コードCCONEを用いて断面積を評価した。計算では、複合核過程に加えて、前平衡及び直接過程を考慮した。中性子と原子核間の相互作用はチャネル結合光学模型ポテンシャルを用いた。タンタル同位体のE1線遷移に係る巨大双極子及びピグミー共鳴のパラメータは線スペクトル測定値を再現する様に決定した。評価結果は既存の実験値とよく一致しており、JENDL-4.0を上回る再現性であった。今回得られた結果から、ENDF形式でデータファイルを作成した。
Huang, M.*; 羽場 宏光*; 村上 昌史*; 浅井 雅人; 加治 大哉*; 金谷 淳平*; 笠松 良崇*; 菊永 英寿*; 菊谷 有希*; 小森 有希子*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 304(2), p.845 - 849, 2015/05
被引用回数:3 パーセンタイル:25.85(Chemistry, Analytical)ガスジェット搬送法と理研ガス充填型反跳イオン分離装置(GARIS)を組み合わせて、105番元素Dbの化学研究に使用する放射性のNbおよびTa同位体の生成・利用技術を開発した。Dbの合成と同じエネルギーのFビームを用いて短寿命のNbおよびTaを合成し、GARISを用いて分離したあと、ガスジェット搬送法を用いて化学実験室に引き出した。GARISの磁場を変更し、反跳核のエネルギー減速箔およびシャッターを挿入するだけで、他の実験条件は何も変更せずに、Db用の化学実験装置にNbとTaを導入することに成功した。
石山 新太郎
日本機械学会論文集,A, 69(686), p.102 - 107, 2003/10
ダイヤフラム部をタンタル/SUS316でアーク溶接した高感度隔膜式圧力発信器を試作し、HI循環系を模擬したHI循環試験装置で20,000時間使用した後、高サイクル疲労試験を行った結果、下記結論を得た。(1)アーク溶接によりTa/SUS316製ダイヤフラム接合体を試作し、ダイヤフラム振動節部に下記組成の接合合金組織を生成した。Ta:Ni:Cr:Fe:Mo=83:2:2:11:2(wt%)。この組成の合金は、機械的特性ならびに耐腐食性の極めてすぐれた合金組成であることが明らかとなった。(2)上記組成のダイヤフラムを用いた隔膜式圧力センサーは、500万回以上の圧力繰り返しに耐える長寿命型センサーであり、その際の計測最大誤差は0.44%F.S./以下の極めて高精度のものである。(3)HI高温溶液による長時間循環試験に20,000時間使用した後の同圧力センサーの寿命ならびに計測精度に劣化傾向は認められなかった。以上の結果から、本研究で試作したTa/SUS316製圧力センサーは500万回の繰り返しに耐える長寿命型・高耐食性センサーとして実用に耐えるものであることが結論された。
石山 新太郎
まてりあ, 42(1), p.58 - 60, 2003/01
ダイヤフラム部をタンタル/SUS316でアーク溶接した高感度隔膜式圧力発信器は、HI腐食環境下で20,000時間使用した後、高サイクル疲労試験を行った結果、下記結論を得た。(1)本製品は、アーク溶接の際Ta/SUS316製ダイヤフラム振動節部に生成するTa-Fe組成の接合合金組織により、その機械的特性ならびに耐腐食性が極めてすぐれており、このダイヤフラムを用いた隔膜式圧力センサーは、1,000万回以上の圧力繰り返しに耐え、かつその際の計測最大誤差を0.2%F.S./以下の極めて長寿命・高精度にすることも可能である。(2)HIx高温溶液による長時間循環試験に20,000時間使用した後の同圧力センサーの寿命ならびに計測精度に劣化傾向は認められなかった。以上の結果から、Ta/SUS316製圧力センサーは1,000万回の繰り返しに耐える超寿命型・高耐食性・高精度センサーとして実用に耐えるものであり、一般産業用から極めて過酷な腐食環境において広範な分野での利用が可能である。
川合 將義*; 菊地 賢司; 栗下 裕明*; Li, J.*; 古坂 道弘*
Journal of Nuclear Materials, 296(1-3), p.312 - 320, 2001/07
被引用回数:47 パーセンタイル:93.85(Materials Science, Multidisciplinary)高エネ研で使用する核破砕ターゲットの性能アップのため、1996年から使用していたタンタルをタングステンと交換した。しかし、タングステンは冷却水中での腐食が問題となるため、腐食に強いタンタルで被覆することとした。本報告は、タンタル被覆タングステンターゲット製作のR&Dについてまとめたものである。さまざまな試行を行った結果、最終的には1500,2000気圧でHIP加工し、実用可能なターゲットを製作できた。新しいターゲットは、平成12年11月20日に新しい中性子源として、運転が開始された。
川野辺 一則*; 大橋 和夫*; 竹内 正行; 武田 誠一郎
PNC TN8410 97-433, 49 Pages, 1997/12
(目的)硝酸溶液中に浸漬した非鉄金属材料(Ti, Ti-5Ta, Zr)の表面状態および酸化皮膜を調査する。(方法)3M硝酸およびCr添加3M硝酸溶液中にTi, Ti-5TaおよびZrを沸騰96時間浸漬し、SEMによる表面状態の観察およびXPSによる酸化皮膜の調査を行った。(結果)(1)3M硝酸およびCr添加3M硝酸溶液中に96時間浸漬したTi, Ti-5TaおよびZrの表面状態は、試験前の研磨痕が確認された。しかし、3M硝酸で行った試験のTi, Ti-5Ta表面は、若干腐食による肌荒れが認められた。(2)いずれの試験条件においても、Tiの酸化皮膜は、TiO, Ti-5Taの酸化皮膜は、TiOと若干のTaO, Zrの酸化皮膜は、ZrOであった。また、若干O-H結合の水酸化物が含まれていると考えられる。(3)いずれの試験条件においても、TiおよびTi-5Ta最表面酸化皮膜は、TiOとTiOで構成され、その割合は、TiOの方が多いことが分かった。(4)3M硝酸で行った試験のTiおよびTi-5Taの腐食速度は、Cr添加試験と比べて若干大きく、酸化皮膜の厚さは約800から900と推定される。また、Cr添加3M硝酸で行った試験の腐食速度は小さく、酸化皮膜の厚さも薄く約140と推定される。一方、Zrは、ほとんど腐食せず酸化皮膜の厚さは約220と推定される。(結論)3M硝酸で行った試験のTiおよびTi-5Taの表面状態は、腐食により若干肌荒れし、酸化皮膜は厚く成長することが分かった。Cr添加3M硝酸で行った試験のTiおよびTi-5Taの腐食速度は小さく、酸化皮膜は薄いことが分かった。Zrの酸化皮膜はいずれの試験においても、ZrOで優れた耐食性を示した。
塩津 正博*; 畑 幸一*; 濱 勝彦*; 白井 康之*; 竹内 右人*; 堺 公明
PNC TY9604 97-002, 15 Pages, 1997/03
本研究は、高速炉の安全裕度を評価する上で、燃料破損の要因となりうるような大きなナトリウムの沸騰開始過熱度や沸騰開始後の膜沸騰への遷移がどのような条件下で発生するかを明確にするために、自然対流下のナトリウム中の試験発熱体における初期沸騰温度と限界熱流速を系統的に求め、実験開始以前の履歴、発熱率上昇速度、液サブクール度等の沸騰開始過熱度及び限界熱流束への影響を明らかにし、それらの物理的機構を解明することを目的とする。平成8年度は、実験開始以前履歴の影響、コールドトラップ温度の影響について実験を実施した。その結果、沸騰開始過熱度について、実験開始以前の加熱履歴の明確な影響は認められず、沸騰開始過熱度が10から50近傍に到る一群と100から250近傍に至る一群の大きくばらついた結果が得られた。沸騰開始過熱度が50以下の場合には一旦核沸騰を経過して限界熱流速に到達し発熱体温度が急上昇したが、沸騰開始過熱度が100以上の場合には、非沸騰状態から沸騰開始と同時に膜沸騰遷移が起こり温度が急上昇した。100以上の沸騰開始過熱度はコールドトラップ温度が120以下に集中しており、酸素濃度が初期沸騰に大きく影響することが推測される。
重田 典子; R.M.Lambrecht*; 松岡 弘充; 長 明彦; 小泉 光生; 小林 勝利; 出雲 三四六; 橋本 和幸; 関根 俊明
Applied Radiation and Isotopes, 47(2), p.171 - 174, 1996/00
被引用回数:4 パーセンタイル:39.42(Chemistry, Inorganic & Nuclear)我々は、WO濃縮同位体(99.7%)の厚いターゲットに、13.6MeVの陽子ビームを照射し、W(p,)Ta核反応によるNo-Carrier-Added Taを製造した。陽子及び重陽子核反応を利用してTaを生成させるために、アリスコードを用いて、照射条件を理論的に決定した。さらに、植物(かやつり草)中でのTa種の移動を、ラジオルミノグラフィー法を採用したバイオイメージングアナライザーによって、測定した。その結果、Taは、放射性タンタルの医薬品における研究開発や生態毒性研究のためのトレーサーとして有効であることがわかった。
大和田 功; 西野 泰治; 山原 武; 石本 清
Proc. of 43rd Conf. on Robotics and Remote Systems 1995, 0, p.75 - 80, 1996/00
軽水炉技術の高度化計画に伴って、燃料の高燃焼度化が進められており、燃料ペレットの熱電導率は、重要な熱物性値として注目されている。原研・燃料試験施設では、レーザーフラッシュ法を用いた遮蔽型のペレット熱拡散率測定装置を開発した。熱伝導率は、測定した熱拡散率、比熱及び密度より求める。装置は試料保持部、レーザー発信器部、赤外線検出器部、ヒータ温度抑制部、真空排気部、データ処理部、生体遮蔽体、フード及び試料移送容器で構成されている。装置の性能と照射後試験への適用を確認するため、金属タンタル、アルミナ、未照射UO、未照射UO-GdO及び照射済燃料を用いて熱拡散率を測定した。その結果、高燃焼度燃料の照射後試験に十分使用できることが明らかになった。
大和田 功; 西野 泰治; 山原 武; 石本 清
Transactions of the American Nuclear Society, 73, p.465 - 466, 1995/00
軽水炉技術の高度化計画に伴って、燃料の高燃焼度化が進められており、燃料ペレットの熱伝導率は、重要な熱物性値として注目されている。原研・燃料試験施設では、レーザーフラッシュ法を用いた、遮蔽型のペレット熱拡散率測定装置を開発した。熱伝導率は、測定した熱拡散率、比熱及び密度より求める。装置は試料保持部、レーザー発信器部、赤外線検出器部、ヒータ温度制御部、真空排気部、データ処理部、生体遮蔽体、フード及び試料移送容器で構成されている。装置の性能と照射後試験への適用を確認するため、金属タンタル、アルミナ、未照射UO、未照射UO-GdO及び照射済燃料を用いて熱拡散率を測定した。その結果、高燃焼度燃料の照射後試験に十分使用できることが明らかになった。
大和田 功; 西野 泰治; 串田 輝雄
JAERI-M 93-244, 93 Pages, 1994/01
ホット試験室では、科学技術庁からの委託により、高燃焼度燃料の照射挙動を解明するため、各種照射後試験装置の開発を行ってきている。高燃焼度燃料の照射挙動の中でも、燃料ペレットの熱伝導率等の熱物性値が特に重要であり、その内の一つとしてレーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定し、熱伝導率を算出する遮蔽型ペレット熱伝導率測定装置を開発した。本報では、熱伝導率測定装置の性能および特性を確認するため、タンタル金属およびセラミック(アルミナ、ジルコニア、ムライト)試料を用いて、室温から1800Cの温度範囲で熱拡散率を測定した結果をまとめたものである。
佐々木 祐二; 武石 秀世; 安達 武雄; 井沢 君江*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 139(1), p.143 - 151, 1990/00
被引用回数:5 パーセンタイル:52.84(Chemistry, Analytical)イオン交換分離-放射化分析法を用いて、タンタル中のウラン、トリウムの分離分析法は確立された。フッ化水素酸で1gタンタルを溶解後、陽イオン交換樹脂カラムを用いてタンタルとウラン、トリウムを分離した。この時の液性は、カラムに溶液を入れる時0.5Mフッ化水素酸で、カラムからウラン、トリウムを溶離する時0.5Mフッ化水素酸-0.65Mホウ酸溶液を用いた。このカラム操作を3回くり返した時、タンタルの残存量400ng、ウラン、トリウムの回収率は95%以上であった。この方法を用いて、高純度タンタル金属中のウラン、トリウムの微量定量(ngレベル)が可能となった。
荒 克之; 山田 政治; 若山 直昭; 小林 一夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(6), p.480 - 489, 1987/06
被引用回数:2 パーセンタイル:29.78(Nuclear Science & Technology)多目的高温ガス炉用炉内温度センサとして、白金モリブデン合金熱電対を実用化するため、Pt-5%Mo/Pt-0.1%Mo熱電対の裸素線を試作し、高温アルゴン中および高温真空中で加熱して、熱起電力、機械的強度、金属組織の安定性を調べた。高温アルゴン中では不純物ガスによるMoの選択的な酸化や炭化が生じ、機械的強度が大巾に低下し、粒界腐食が生じたが、真空中では熱電的、機械的、金属組織的な諸特性はすべて安定していた。これより、素線回りの雰囲気管理の重要性が明らかとなり、不純物ガスのゲッター材であるタンタルをシースとしたTaシース熱電対を試作して1200C3000時間の長期高温試験を実施した。その結果、熱起電力ドリフトは0.7%以下で、素線の機械的強度の劣化もなく、すべて良好に作動した。これより、実用化へ向かっての開発の見通しが得られた。
布施 元正*; 田次 邑吉; 岩田 忠夫
JAERI-M 87-026, 25 Pages, 1987/02
核融合炉材料の照射損傷は固体内原子衝突により生じるが、この現象に関する理論的研究は大型計算機の発達と共に近年急速な進展を見せている。本報告では、分子動力学コ-ドGRAPEによりBCC金属のTa結晶中でのはじき出し過程を解析した結晶をまとめた。1)Ta結晶中で生成する格子間原子は〔100〕クラウディオン型か、〔111〕方向への変位が数原子にわたり連続して生じる型の2種類に大別できる。Fe,Moで見られる〔110〕ダンベル型は生成しない。これは、ポテンシャル形状により説明できる。2)Ta結晶中でのはじき出しエネルギ-のしきい値分布は実験結果と比較的良い対応を示す。これから、採用したJohnson型のポテンシャルは現実の原子間相互作用を表わすのに適していると言える。
坪根 泉*; 中島 豊; 神田 幸則*
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(8), p.707 - 709, 1983/00
被引用回数:1 パーセンタイル:27.09(Nuclear Science & Technology)原研リニアックと中性子飛行時間測定装置を用いてタンタルの共鳴領域の中性子透過率を測定した。リニアックのパルス幅は30ns、タイムアナライザーのチャンネル幅は25ns、中性子検出器はLiガラス、飛行管は47mと190mで測定した。この測定条件は、タンタルの測定ではこれまでで最良の分解能での測定に相当する。試料の厚さは47mでの測定では1mmと10mmで、190mの測定では2mmと5mm、10mmである。測定した透過率をブライト・ウィグナーの多準位公式を用いた最小二乗法コードで解析し、100eVから3,720eVまでの632個の共鳴準位の共鳴エネルギーと中性子幅を決定した。得られた共鳴パラメータを使ってS波中性子強度関数を求めたところ、1.7keV以下では(1.660.13)10であり、1.7keV以上では(1.030.11)10で有意の差があることが分かった。
飯田 浩正; 関 泰
JAERI-M 7582, 32 Pages, 1978/03
核融合実証炉のブランケット構造材に使われるモリブデンをはじめ、核融合炉に使われる種々の材料の誘導放射能と、それらを用いた場合の装置廻りの線量率を計算し比較検討した。ブランケット部にC、Siを用いた場合は誘導放射能の問題を考える必要は無く、Taを用いた場合は遮蔽体を透過してガンマ線が炉室内に漏洩し、装置廻りの線量率が高くなる。その他の材料を用いた場合は誘導放射能の大小は有るが炉の設計に影響を与える様な違いとはならない。その他不純物や、遮蔽材の放射化についても検討した。また放射性廃棄物量も推定した。
橋谷 博; 安達 武雄
分析化学, 24(5), p.303 - 307, 1975/05
原子炉材料としても注目され始めているタンタルは近年格段に純度が向上してきつつあり、それに伴い現在JIS分析法の改定が急がれている。ニオブについてみれば、従来のJIS法の定量下限(10PPm)以下のものも製造されており、こん跡ニオブの高感度定量法の開発が望まれていた。著者らは、高感度のスルホクロロフェノールS光度法を適用するため、HNO-HF系陰イオン交換法の分離条件とニオブの呈色に及ぼす硫酸、酒石酸などの影響を詳細に検討した。その結果、金属タンタル1g中の1g以上のニオブの定量ができるようになった。なお、本法はイオン交換分離で鉄、ニッケル、クロムなどを除去できるので、鉄基、ニッケル基耐熱合金中の微量ニオブの定量にも応用できる。